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地中の排水管及び浄化槽に関する説明義務を否定した事例

説明義務は、契約締結の過程において、売主となろうとする者が、買主となろうとする者に対して負担する義務です。

以下の事例では、売主の説明義務違反(告知義務違反)が認められるのは、瑕疵の内容からして買主に損害を与えることが明白であるにもかかわらず売主がそれを知りながらあえて告げなかったような極めて例外的な場合に限られるというべきであるとして、売主Bの説明義務違反を否定しました。

このように、売買目的土地に地中埋設物や土壌汚染が含まれていたとしても、無条件に土地の売主にこれらについて説明義務が課されるわけではありません。

裁判例 東京地判平成16年10月28日判時 1897号22頁
事案の概要 Aは、Bより土地及び建物を7200万円で購入した。その後、同土地に隣地所有者Cと共有共用の生活排水管等が埋設されていることが判明し、Aは、当初の予定どおりに建物を取り壊して土地を造成して分譲することができなくなった。そこで、Aは、Bに対し、瑕疵担保責任に基づき当初予定されていた分譲代金額から実際の分譲代金額への下落分や分譲先に対する解約違約金等2310万円の損害等の賠償を求めた。
判決の概要 上記の生活排水管等が埋設されていることは、土地の瑕疵にあたるとして、BにAの分譲先に対する解約違約金等相当額51万9000円の賠償義務を認めた。もっとも、分譲代金の下落分については、不動産に瑕疵がなかったならば得られたであろう利益(履行利益)を失ったことによる損害であり、瑕疵担保責任においては、このような損害の賠償義務は認められないとした。 他方、本件売買契約締結当時、Cが生活排水管等の撤去に反対してAに損害を与えることが明白であり、それをBが知りながらあえて告げなかったとまで認めることはできないとして、Bの説明義務違反は否定した。
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