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地中における建物の廊下、洗面室、浴室、居室等の構造物、及び建築廃材等の存在を瑕疵と認め619万5000円の賠償義務を認めた事例

以下の事例のように、土地の売買契約締結後に、地中に、構造物及び建築廃材等の地中埋設物が存在することが判明した場合は、買主は、売主に対し、多額の損害賠償請求をすることができる可能性があります。ただし、以下の事案では、買主が、売買契約締結時に、地中埋設物の一部の存在を認識していたため、全ての地中埋設物の撤去費用の賠償責任までは認められませんでした。

なお、買主は、瑕疵の存在を理由として土地の売主の瑕疵担保責任を追求する場合、以下の期間制限に服することになりますのでご注意ください。

  • ① 土地の引渡しから10年(ただし商行為の場合は5年)で時効にかかります。
  • ② 商人間の売買では、買主は、土地引渡し後6か月以内に瑕疵の原因となる土壌汚染や地中埋設物を発見し、売主に通知する必要があります。
  • ③ 土壌汚染や地中埋設物の発見から1年以内に損害賠償請求をする必要があります。
裁判例 東京地判平成24年9月13日ウエストロー・ジャパン
事案の概要 Aは、Bより、住宅建築目的で土地を4500万円で購入した。なお、土地購入にあたり作成された契約書には、「売主が以前ホテル経営をしており、その後建物の上部部分は撤去したが基礎部分及びそれに付随する諸設備、またプール用地の一部が官有地に埋設されていることを売主及び買主双方は確認し、引き渡しを行うこととする。」との記載があり、契約書に添付された重要事項説明書には「敷地内残存物・・・」として「旧建物基礎、浄化槽、プール基礎」と記載されている。契約締結後、旧建物の基礎部分の解体工事等を開始したところ、土地中から、旧建物の1階層と思われる廊下、洗面室、浴室、トイレ、居室等の構造物、大量の解体ガラが発見された。Aは、全ての埋設物を解体撤去には3360万円もの金額を要するため、その一部のみを619万5000の費用で解体撤去した。そこで、Aは、Bに対し、損害の賠償を求めて訴訟を提起した。
判決の概要 Aは上記の埋設物の存在を予期していたとはいえないこと等を理由として、上記の埋設物を瑕疵にあたると判断した上、Bに、埋設物の一部の解体撤去工事費用619万5000円の賠償義務を認めた。もっとも、Aは、契約締結にあたり、旧建物の基礎部分や解体ガラの一部が存在することは認識していたのであり、埋設物が全くない状態を前提として契約したわけではないため、埋設物全ての撤去に要する工事費用全額の賠償義務は認められないとした。
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